冬から春にかけて山形県の食卓にあがる青菜漬。
「せいさいづけ」と読みます。
今回は青菜(せいさい)とはなにか?どうやって食べるのか?また、アレンジレシピや自分で漬ける方法についてご紹介します。
出典:農林水産省Webサイト
青菜(せいさい)って何?
もともと中国から国内に入り渡ってきたものですが、山形県で特に栽培が普及しています。
近年他のアブラナ科との交配が危惧されていて、古来からの品種を守るために山形県沖の飛島(とびしま)で栽培された種を使用します。
一般的に認知されている高菜と同種ですが、葉のサイズがとても大きくて、茎はしっかり厚みがあり、長い間漬け込んでもシャキシャキ感が残り歯応えが心地良い特徴的な品種です。
その漬け方も各家庭でそれぞれ微妙に違います。この漬物がなくては冬は越せぬ程の山形県ではポピュラーなものです。
青菜(せいさい)の食べ方
おみ漬け
おみ漬は近江漬けがなまったものだそうです。
昔、山形の名産である紅花の買い継ぎに北前船で日本海から最上川を登って近江の商人が来ていました。
その川の上流から流れてくる野菜の切れ端を見て、農民が洗った野菜のくずを捨てていると知り、もったいないと拾い集めたそうです。
その野菜の切れ端と他の野菜と一緒に細切れにして漬物にして食べたということが始まりと伝えられています。
現在では「おみ漬け」として各家庭でも漬けますし、製品としても販売されています。冬の食卓には欠かせない逸品です。
材料
生の青菜 | 1kg |
大根 | 200g |
にんじん | 80g |
きくいも | 150g |
しその実塩漬け | 100g |
塩 | 45g |
しょうゆ | 50g |
みりん | 35g |
ザラメ | 10g |
作り方
- 青菜をよく水洗をし、しっかり水を切ったら5mm〜10mmぐらいに細かく刻みます。
- 大根と人参は皮を剥ぎ、きくいもはよく洗ってそのままで、どれも歯応え残る程度に薄目にいちょう切り。
- 切った野菜に塩をまぶして全体をよく混ぜ、材料の2倍ぐらいの重石をして一晩漬ける。
- しその実を水にさらして軽く塩抜きしておく。
- 翌日出てきた漬け汁を捨てて一度材料を水洗いし、絞って水気をしっかり取ります。
- 醤油、みりん、ザラメを鍋にかけ沸騰したら冷まします。
- 洗った材料としその実を混ぜて先ほどのタレを混ぜて漬け込みます。お好みで食用菊(山形では定番)と生姜を混ぜてもいいです。汁の中に浸かっていれば蓋だけ乗せておけば重石はいりません。
- 2〜3日で食べられるようになります。浅漬けなので早めに食べきるようにしましょう。
鶏ガラ煮込み
材料
生の青菜(せいさい) | 適量 |
ホタテ | 適量 |
しめじ | 適量 |
椎茸 | 適量 |
鶏がらスープ(標示の2倍薄め) | 適量 |
こしょう | 少々 |
作り方
材料をすべて適量入れて煮込むだけ。鶏がらスープは、粉末の素の水分量を倍に薄めて丁度いいくらいです。
ホタテの甘みが程よく出て、子供もよろこぶ味付けになります。
ごま和え
ほうれん草や小松菜でもおなじみの胡麻和えですが、青菜(せいさい)を使うとまた違った風味で面白い。
最後にちょっと感じられる辛みがほどよい。
マヨネーズ和え
白ごまをすって適量のマヨネーズと和えるだけ。好みで一味を少々。サッパリ系です。
菜っ葉巻きのおにぎり(弁慶飯)
漬物も野菜も嫌いなお子さんでも間違いなく喜ぶ美味しいおにぎりレシピ。
材料
青菜漬け | 適量 |
ごはん(冷めたものがよい) | 適量 |
味噌 | 適量 |
作り方
丸いおにぎりを少々硬めに握って全体に薄く味噌を塗ります。
青菜漬けの葉の部分を広げおにぎり全体を包みます。
グリル、網の上などで火にかけ青菜漬けの水分を飛ばすように、焦げない程度によく焼いて出来上がりです。
焼くことで塩辛さが和らぎ味噌の甘さが引き立つので美味しさ抜群です。
子供の頃に祖母が作ってくれた味を思い出します。
青菜漬けを自分で作る方法
材料
生の青菜(1日干して、しんなりさせておく) | 1kg |
塩 | 50g(青菜の5%) |
しょうゆ | 30ml |
酒 | 30ml |
砂糖 | 40g |
焼酎 | 30ml |
重石 | 2kg(青菜の2倍) |
下漬け
株元の内側に土が入っていたりするので、適宜確認しながら。ついでに葉先の黄色部分を取り除きます。
よく水を切り、1〜2株ずつ束の状態で漬け樽の中へ並べていきます。小さい漬け樽の場合は株元が重ならないように場所を変えながらクルッと巻いていくように。
準備した塩を1段ごとにふりかけながら段々に重ねてゆきます。
押し蓋をして重石をします。
翌日〜2日ぐらいで漬け汁が押し蓋の上にあがってきますので、重石は半分程度に軽くします。重いままだと潰れすぎてシャキシャキ感がなくなります。
このままで、1週間ぐらい置きます。
本漬け
醤油、酒、砂糖を混ぜて1度火にかけ沸騰寸前で火を止め冷まします。
冷めたところで焼酎を加えて完成。
下漬けで上がってきた漬け汁を全部捨て、水洗いをしてしっかり水気を切ります。
きれいにした漬け樽に青菜を下漬け同様の要領で並べていきます。
1段ごとに先ほど作ったタレを振りかけていきます。
これを繰り返して最後にタレが余っているようでしたら上から振りかけます。
下漬けの時と同じく押し蓋をして重石(青菜の約2倍)をします。数日で漬け汁が押し蓋より上がってきたら、青菜が浮いてこない程度に重石を軽くします。
寒いところに置いて1週間程度で完成です。日が経つと熟成されて角が取れマイルドな味になり美味しさアップです。
本場のおいしい青菜(せいさい)をご賞味ください
今回は青菜について食べ方や漬ける方法を紹介させていただきました。
この他にもチャーハンなど炒め物に利用したり、豚肉の味噌漬けにアクセントを加えたり食べ方も十人十色です。
こんなのも美味しかったよ〜というのがあったらぜひ教えて欲しいです。
生産者よりお取り寄せも出来ますので、食べたことがない方はぜひ一度ご賞味ください。